Cross? 「違和感を飛び超える術」 
1988〜2005 福岡市美術館、パプアニューギニア国立博物館、ハラミュージアムアーク、青山スパイラルガーデン、芦屋市美術博物館、鹿児島県黎明館、鹿児島市立美術館、Art Space Kobo&Tomo、ギャラリーなつか、他

そもそも、価値はどのように発生するのだろうか。

価値は常に、関係の中に作られてきたのではないだろうか。

 

1988〜

1986年青年海外協力隊の隊員として建国10周年を迎えたばかりパプアニューギニアで勤務することになり、その特殊な歴史に興味を持つ。
パプアニューギニアは飛行機による冒険が始まる1920年代までは人はほとんど住んでいない原生林と思われてきた。海流の関係と4500m級の山脈、セピック川、ケレマ川などの湿地帯を作り出す大型の河川の影響で海路、陸路からの侵入が不可能だったことが原因となる。しかし、1900年代に入り、飛行機が発明され、 1920年代、飛行機による冒険が活発になってからオーストラリアから初めて乗り入れた冒険家によって、その地域に無数の部族が原始的な生活のままに暮らしていることが発見された。

その地域には500を超える部族が全く異なる800を超える言語を持ち暮らしているといわれていて、そのいくつかの地域で鳥をルーツに持つ先祖とつながる儀式のようなもので社会秩序を保つ文化を持っていることに興味を持った。また、ある地域では外部からの飛行機が富をもたらしてくれるというカーゴカルトと呼ばれる宗教儀式のようなものがあるという話をきき、さらに、ラバウル島のリサーチで太平洋戦争中の日本軍が飛行場としていた跡地、ヤシの林の中に旧日本軍の戦闘機がそのまま放置されて残っている風景に出会い、大きな力が島を支配していた状況に触れ、宗教的価値、軍事的力、日常を超えた価値観などへの複数のイメージが Cross ×戦闘機×鳥 という複合的な象徴的な形を生み出すことになった。
 

2005年1月5日~4月3日 その展開が福岡市美術館で「違和感を飛び超える術」としてニューギニア時代から撮影してきた映像とCrossがたくさん飛び立っているインスタレーションを組み合わせた展示を行いました。様々なタイプの映像が、そのタイトルをマイクに呼びかけることで映る仕組みをつくり、Crossの意味がバックの映像との関係によって様々によみとれるような仕掛けをつくりました。物事の価値や意味はそのものにあるのではなく、様々な関係のあり方によって変化するということを図式的に見せようとしていました。

以下は会場でタイトルを呼びかけると流れていた映像です。様々な関係によって価値が変わるというイメージスナップのような映像です。

※パプアニューギニアでの活動、その時出会った太平洋戦争中の日本の戦闘機との出会い、あるいは当時現地で話に聞いた椰子の木で作った飛行機を崇める民族の話。1920年代につくられたファーストコンタクトという映像作品から影響を受けた考えなど遠くらか来訪する存在の意味を探るようになったパプアニューギニアでの経験を振り返る2003年11月に福岡で行った展覧会PNGの記録はこちら
 

※Cross?のタイトルで展開した第1弾が2003年12月に東京銀座1丁目のSpace Kobo&Tomoにて開催されたコンセプションの為の展示「Cross?」そのオープニングで作家の中村政人と西洋美術史の研究者の岡村多佳夫とによるトークの記録はこちら。 

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