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 青森の十和田市から秋田市に活動の拠点を移して6年。十和田市現代美術館の現場もかなり楽しませていただいたのですが、秋田の現場はさらに刺激的。何か新しい活動を作ろうとする空気感に満ちていて、大変有り難い。それはやはり美術を志す学生の存在が大きいのでしょうか。美術大学がある地域とそうでない地域の差についてあまり考えたことのない人が多いと思いますが、自由な発想で、しかも自ら作る力を身に付けようとしている若い人が集まってくる状況は、とても価値のあることだと感じています。何かが生まれてくる可能性に満ちていますから。

 僕はそれぞれの時代で流行しているモノゴトについて、あまり敏感ではありません。その一方、これまでなかったような新しいモノゴト、新商品とか考え方、あり方には大きな関心があり飛びつきます。しかしそれよりも、今、誰もが見向きもしないような存在、むしろ低く見られていたり排除されたりしているモノゴトを無視できず、ついついそれに視線が行き、関わり始め、場合によってはしつこく向き合う習性があります。それは意識的ではなく、無意識の行動だから仕方ないのです。

 同じような感覚として、過去に作られた立派なモノゴトや高い評価を得てきた文化芸術(作品)に対して、感動し、敬意は抱くものの、それを追っかける態度を取ることに素直になれません。過去の先人達が作ってきた態度に対して、その結果生み出されたその時代ならではの新しい意識や技術、手法、存在に対しては関心は高いのですが、むしろ、これまで経験したことのないような新しいモノゴトをつくりたい側にいるのだとおもいます。その意味で、どちらかというと、表現未満、美術未満、芸術未満、いわゆる有象無象のまだ何でもない若い感性や新しい形が生まれそうな状態に心が大きく動き、無視できずにいて、その現場に同席したいと思っているのです。

 Fuji Studio Co. 代表 藤 浩志

 

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